まず正直な気持ちとして、
「介護度が上がる=状態が悪くなった」
そう感じる方が多いと思います。
確かに、身体機能や認知機能の低下が背景にある場合がほとんどです。
ですが、制度上で見ると――
要介護度が上がることには“支援が増える”という大きな意味があります。
つまり、
悪い知らせであると同時に、
支援拡大のチャンスでもあります。
要介護度が上がると何が変わる?
一番大きな変化は「区分支給限度額」です。
介護度が上がるほど、
1か月に利用できる介護サービスの上限額が増えます。
例(目安):
- 要介護1:約16万円台
- 要介護2:約19万円台
- 要介護3:約26万円台
※実際の金額は年度により変動します。
つまり、
使えるサービス量が増えるということです。
メリット① サービスを増やせる
・訪問介護の回数を増やせる
・デイサービスの利用日数を増やせる
・訪問看護を追加できる
・ショートステイを利用しやすくなる
今まで「限度額が足りなくて入れられなかったサービス」が可能になります。
介護保険で使えるサービスはこちらをご参考ください
介護保険で使えるサービス一覧【要介護度別】|家族が知っておきたい基本ガイド
メリット② 家族の負担を減らせる
これが最も大きなメリットです。
介護は、
身体的負担
精神的負担
経済的負担
の3つが重なります。
介護度が上がることで、
✔ 夜間対応を外部に頼める
✔ 入浴介助を任せられる
✔ 休息時間を確保できる
家族の生活を守ることにつながります。
高額介護サービス費についてはこちらをご参考ください
高額介護サービス費はいくら戻る?対象条件と申請方法をやさしく解説
メリット③ 医療連携が強化される
要介護3以上になると、
・訪問看護の利用
・医療系サービスの導入
が現実的になります。
医療依存度が高い場合は特にメリットがあります。
メリット④ 施設入所の選択肢が広がる
特別養護老人ホーム(特養)は、原則として要介護3以上が対象です。
要介護3以上になることで、
入所申込みが可能になります。
在宅が限界に近い家庭にとっては、大きな意味を持ちます。
要介護度1,2で施設入所を検討されている方はこちらをご参考ください
要介護1・2でも入れる施設はある?軽度要介護者の現実と選択肢
デメリットはある?
基本的に「制度上のデメリット」はありません。
ただし、
・自己負担額は利用額に応じて増える
・精神的ショックが大きい
この2点は無視できません。
費用はどうなる?
自己負担は原則1割(一定所得以上は2~3割)。
限度額が増える
= 使える枠が増える
= 使えば負担も増える
ただし、使わなければ増えません。
ここは誤解が多いポイントです。
よくある誤解
❌ 介護度が上がると保険料が上がる
→ 原則関係ありません
❌ 何もしなくてもサービスが自動で増える
→ ケアプラン変更が必要
❌ 上がるのは悪いことだけ
→ 支援拡大の意味がある
心理的な受け止め方
多くの家族がこう言います。
「できれば上がってほしくなかった」
その気持ちは自然です。
ですが視点を変えると、
✔ 無理をしてきた証拠
✔ 本当に支援が必要な状態
✔ 頑張りすぎなくていいサイン
とも言えます。
要介護度が上がった後にやること
① ケアマネと面談
② ケアプラン再作成
③ 必要なサービスを具体化
④ 家族の休息時間を確保
“枠が増えた”だけでは意味がありません。
どう使うかが重要です。
まとめ
✔ 要介護度が上がると利用限度額が増える
✔ サービスを増やせる
✔ 家族負担を軽減できる
✔ 施設入所の選択肢が広がる
✔ 使わなければ費用は増えない
介護度が上がったことは、
悪い知らせだけではありません。
それは、
支援を増やせる許可が出た、ということです。
区分変更申請の方法はこちらをご参考ください
区分変更申請のやり方|状態が悪化したときの手続き・流れ・損しない伝え方まで解説
介護度が低すぎると感じたときはこちらをご参考ください
要介護度が低すぎると感じたら|納得できないときの対処法と見直しの手順


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