家族の介護が必要になったとき、多くの人が真っ先に不安になるのが「収入はどうなるのか」という問題です。
介護離職を防ぐための制度として重要なのが「介護休業給付金」です。
これは、雇用保険に加入している人が介護休業を取得した場合、一定割合の給付を受けられる制度です。
支給額は原則として、休業開始前賃金の67%です。
つまり、これまでの給与がそのまま出るわけではありませんが、約3分の2は保障される仕組みです。
たとえば月収30万円の人であれば、
30万円 × 67% = 約20万円
が目安になります。
ただし、これはあくまで概算です。実際は「賃金日額」をもとに計算され、上限額も設定されています。
介護休業給付金の計算方法
給付額は以下の流れで算出されます。
賃金日額の算出
原則として、休業開始前6か月間の総賃金を180で割った金額が「賃金日額」です。
例:
6か月の総支給額が180万円だった場合
180万円 ÷ 180日 = 1万円(賃金日額)
支給額の計算
賃金日額 × 支給日数 × 67%
たとえば30日休業した場合
1万円 × 30日 × 67% = 20万1,000円
これが1か月あたりの目安になります。
支給期間はどれくらい?
介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで取得可能です。
3回まで分割取得できます。
つまり、
・1回目:30日
・2回目:30日
・3回目:33日
といった取り方も可能です。
介護は長期化することも多いため、「まとめて取る」より「状況に応じて分ける」ほうが現実的な場合もあります。
支給条件を確認しよう
介護休業給付金を受けるには条件があります。
主な条件は以下です。
・雇用保険に加入している
・休業前2年間に12か月以上の被保険者期間がある
・家族が「常時介護を必要とする状態」である
・休業中の賃金が80%未満である
特に注意したいのは「賃金80%未満」の条件です。
会社から十分な給与が支払われている場合、給付金は支給されません。
申請の流れ
会社へ介護休業を申し出る
まずは会社に休業の意思を伝えます。
通常は休業開始予定日の2週間前までに申し出ます。
会社がハローワークへ申請
原則として申請手続きは会社が行います。
必要書類は:
・介護休業給付金支給申請書
・賃金台帳
・出勤簿
・介護状態を証明する書類
などです。
支給決定
審査後、指定口座へ振り込まれます。
通常は2か月ごとの申請・支給です。
上限額・下限額に注意
給付金には上限があります。
賃金が高額な場合でも、一定額以上は支給されません。
逆に、最低保障額もあります。
そのため「67%」という数字だけで判断せず、ハローワークの最新情報を確認することが重要です。
介護休業給付金だけで生活できる?
ここが現実的な問題です。
月収30万円 → 約20万円
月収25万円 → 約16〜17万円
住宅ローンや教育費がある家庭では、決して余裕がある金額ではありません。
だからこそ重要なのは、
・介護保険サービスの活用
・ケアマネジャーとの連携
・家族での役割分担
です。
制度だけで乗り切ろうとすると限界がきます。
介護離職を防ぐために知っておくべきこと
前回の記事「介護離職は本当に防げるのか?」でも触れましたが、
離職してしまう人の多くは、
「制度を知らなかった」
「調べる余裕がなかった」
というケースです。
介護休業給付金は、収入ゼロを防ぐための“時間を買う制度”です。
この93日間で、
・介護体制を整える
・施設やサービスを検討する
・家族会議を開く
これができるかどうかで、その後の人生は大きく変わります。
正直な話、(私の場合は)ハローワークにも行かなければいけなかったので、手続きは面倒でした。ただ、お金の不安から少しでも解放されることで心の安定感も変わってきますので、余程の富豪でない限りは制度を利用することをお勧めします。
前回の記事は以下リンクからご確認いただけます
「介護離職は本当に防げるのか?」
よくある質問
介護休業給付金は何回でももらえますか?
対象家族1人につき通算93日までです。
パートでももらえますか?
雇用保険に加入していれば対象です。
会社に迷惑がかかりませんか?
制度として認められている権利です。ただし事前相談は重要です。
まとめ
介護休業給付金は、
休業前賃金の67%が通算93日間支給される制度です。
十分とは言えませんが、離職を防ぐための大きな支えになります。
「辞めるしかない」と思う前に、まずは制度を確認してください。
知っているかどうかで、未来は変わります。



コメント