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要介護認定の基礎知識|判定の仕組みと損しないための事前準備【2026年版】

介護制度・お金・手続き

介護保険を使うために必須なのが要介護認定です。「申請したら勝手に決まる」と思っているご家族が多いのですが、実際には申請の出し方・調査時の伝え方・主治医意見書の内容で結果が大きく変わります。

介護福祉士として、認定結果が実態より軽く出てしまい必要なサービスが使えない、という事例を何度も見てきました。この記事では、認定の仕組みと、損しないための準備を体系的に解説します。

要介護認定の全体像

認定の対象者

  • 第1号被保険者(65歳以上):原因を問わず、介護が必要な状態なら対象
  • 第2号被保険者(40〜64歳):特定疾病(16疾病)が原因の場合のみ対象

認定の区分(7段階+非該当)

  • 非該当(自立)
  • 要支援1・2
  • 要介護1〜5

区分が上がるほど、使えるサービスの量と給付の上限額が増えます。

判定の仕組み|一次判定と二次判定

一次判定(コンピューター判定)

認定調査員が74項目を聞き取り、その結果を全国共通のコンピューターシステムに入力。要介護認定等基準時間(介護にかかる時間の推計値)を算出し、要介護度の目安を決めます。

二次判定(介護認定審査会)

医師、看護師、介護専門職などで構成される審査会が、一次判定結果と主治医意見書、認定調査の特記事項を総合して最終判定します。一次判定より上下に修正されることもあります。

認定調査で確認される74項目

調査は第1群〜第7群+特別な医療+日常生活自立度で構成されます。

  • 第1群:身体機能・起居動作(13項目)
  • 第2群:生活機能(12項目)
  • 第3群:認知機能(9項目)
  • 第4群:精神・行動障害(15項目)
  • 第5群:社会生活への適応(6項目)
  • その他:過去14日間に受けた特別な医療、認知症高齢者の日常生活自立度、障害高齢者の日常生活自立度
要介護認定調査で損しないために知っておくべきこと
要介護認定調査で介護度が低く出ないための伝え方を解説。家族が同席すべき理由、よくある失敗例、本音を伝えるコツまで詳しく紹介します。認定結果で後悔しないために知っておきたいポイントをまとめました。

軽く出やすい失敗例

本人が「できる」と見栄を張る

調査員の前では普段できないことを「できる」と答える方が非常に多いです。一人で歩けないのに「歩ける」、おむつなのに「自分でトイレに行く」と言ってしまうケースは典型的。家族が補足する役割が決定的に重要です。

普段の困りごとを伝えきれない

夜間徘徊、暴言、被害妄想、失禁、食事の拒否――調査時に出ない症状こそ、伝えなければ判定に反映されません。普段の様子を時系列で記録した「困りごとメモ」を持参してください。

主治医意見書の精度不足

かかりつけ医があまり本人の生活状態を把握していない場合、意見書が薄くなり判定に反映されません。調査前に主治医にも普段の状況を伝えておくことが大切です。

調査前にやっておく5つの準備

  1. 困りごとメモを作成:日付・場面・回数を箇条書きで
  2. 家族の同席を確実に:本人だけだと正確に伝わらない
  3. 普段の薬・診断書を準備:医療管理の必要度を示す
  4. 主治医に事前共有:意見書の精度を上げる
  5. 失禁・徘徊の頻度を具体化:「ときどき」ではなく「週2〜3回」と数字で

判定後の流れ

結果通知

申請から原則30日以内に郵送。要介護度と認定有効期間(原則6か月、更新は12〜24か月)が記載されます。

結果に納得できない場合

  • 区分変更申請:状態が悪化した場合(or 結果が実態と乖離している場合)
  • 不服申立て:都道府県の介護保険審査会へ60日以内に
要介護度が低すぎると感じたら|納得できないときの対処法と見直しの手順
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要介護度が実態より低いと感じたら区分変更申請が可能です。申請の流れ、必要書類、医師意見書のポイント、認定調査で損をしない伝え方、却下された場合の対処法までを解説します。

介護福祉士から見た|認定で得するご家族/損するご家族

介護福祉士 SEDO(経験7年)

認定で適切な区分を得られるご家族には、共通点があります。事前準備の徹底と、調査時の率直さです。

得するご家族の特徴:

  • 困りごとを数値化して伝える
  • 家族が同席して本人の発言を補正
  • 主治医にも普段の状況を共有
  • 結果に納得できなければ区分変更を遠慮なく申請

損するご家族の特徴:

  • 「迷惑をかけたくない」と本人を見栄を張らせる
  • 調査時のみ取り繕い、普段の困りごとを伝えない
  • 主治医意見書の中身を確認しない
  • 結果に違和感があっても「決まったから仕方ない」と諦める

まとめ

要介護認定は準備の質で結果が変わる制度です。事前にメモを用意し、家族が同席し、主治医とも連携する。これだけで判定の精度は大きく改善します。「決まってしまったから」と諦めず、納得できなければ区分変更や不服申立てを使う姿勢も大事です。

▶ 次のステップ

・認定調査で損しないために → 要介護認定調査で損しないために知っておくべきこと
・申請から認定までの流れ → 介護保険の申請から認定までの流れ
・要介護度が低すぎると感じたら → 要介護度が低すぎると感じたら|納得できないときの対処法

よくある質問

Q:要介護認定の結果に納得できないときはどうすればいいですか?
A:区分変更申請(状態が悪化した場合や結果が実態と乖離している場合)、または都道府県の介護保険審査会への不服申立て(60日以内)の2つの選択肢があります。「決まったから仕方ない」と諦めず、必要な区分を得る手続きを進めてください。

Q:認定調査で本人が見栄を張ってしまいそうです。どうすればいいですか?
A:家族が必ず同席して、本人の発言を補正してください。困りごと(夜間徘徊、暴言、失禁等)を時系列で記録した「困りごとメモ」を持参すると、調査員に普段の様子を正確に伝えられます。「ときどき」ではなく「週2〜3回」など数字で伝えることも効果的です。

Q:主治医意見書は誰がどう書きますか?
A:主治医(かかりつけ医)が、本人の心身の状態について書く書類です。市区町村から直接主治医に依頼が行きます。普段の生活状態を主治医があまり把握していない場合は、家族から事前に普段の状況を伝えておくと、意見書の精度が上がり判定にも反映されやすくなります。

📚 出典・参考

・厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか」
・厚生労働省「認定調査員テキスト」
※本記事の制度情報は2026年4月時点。

コメント

  1. 北澤妙子 より:

    主人の母は一人暮らしで難病を抱えており、介護保険が導入された年からヘルパーさんに来てもらってます。非課税世帯ですので、いくらつかっても、15000円以上は要りません。市役所から認定の調査に来るときは、要介護から軽く認定されないように簡易トイレを用意し食事も発泡スチロールの箱に入れて全てヘルパーさんにお願いしていると言えと言われています。本当は、トイレも自分で行けますしゆっくりでも動けます。しかし、どんどん歩くのが大変みたいで弱って行きます。これって、どうなのか?疑問に思います。1月の請求額は16万円で母の支払う額は一万五千円です。これでは、国は持たないと思います。以前は、母が気になり仕事の通勤が不便でも近くに住んでいました。介護保険がなければ、又、認定を要介護にしなければ、きっと私も工夫をし引っ越さなかったと思います。何とも、納得のいかない話です。

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