日本は世界でも有数の高齢社会です。それに伴い、認知症を有する高齢者の数も増加しています。厚生労働省の推計では、今後も認知症高齢者は増え続けるとされています。
認知症は「特別な病気」ではありません。
誰にでも起こり得る可能性がある身近な問題です。
しかし一方で、「認知症=何も分からなくなる」という誤解も少なくありません。実際には、種類によって症状や進行の仕方は大きく異なります。
まずは代表的な認知症の種類を理解することが、正しい対応への第一歩です。
主な認知症の種類と特徴
アルツハイマー型認知症
最も多いタイプの認知症です。脳にアミロイドβという異常なたんぱく質が蓄積することが関係しているとされています。
主な特徴は以下の通りです。
- 新しいことを覚えられない
- 見当識障害(時間・場所・人が分からなくなる)
- 判断力や実行機能の低下
- 不安や抑うつ症状
女性に多く、ゆるやかに発症し、徐々に進行していくのが特徴です。
血管性認知症
脳梗塞や脳出血など、脳血管障害が原因で起こります。
- 認知機能の低下
- 運動麻痺
- 歩行障害
- 感情失禁(突然泣いたり怒ったりする)
男性に多く見られ、急に発症し、段階的に悪化する傾向があります。
レビー小体型認知症
脳内にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積することで発症します。
- 認知機能の大きな変動
- はっきりとした幻視
- パーキンソン症状(手足の震え、動作の緩慢)
日によって状態が大きく変わることが特徴です。
前頭・側頭型認知症
感情や行動をコントロールする前頭葉や側頭葉が障害されます。
- 衝動的な行動
- 社会的ルールを守れない
- 言葉が出にくい(健忘失語)
比較的若い世代で発症することもあります。
若年性認知症
65歳未満で発症する認知症の総称です。
働き盛り世代に発症するため、社会的影響が大きいのが特徴です。
初期症状として、
- もの忘れ
- 行動の変化
- 性格の変化
- 言語障害
などが見られます。
軽度認知障害(MCI)とは
認知症ではありませんが、認知症の前段階とされる状態をMCI(軽度認知障害)と呼びます。
- 物忘れが増える
- 思い出せないことが増える
- 以前より効率が落ちる
日常生活は自立しているものの、「少しおかしい」と感じる状態です。
この段階で適切な対策を取ることで、進行を遅らせられる可能性があります。
認知症の初期症状
家族が最初に気づくことが多いサインには、次のようなものがあります。
- 新しいことを覚えられない
- 約束を忘れる
- 料理の手順が分からなくなる
- 同じことを何度も聞く
- 外出を避けるようになる
「年齢のせい」と見過ごされがちですが、違和感が続く場合は注意が必要です。
認知機能検査について
日本では、改定長谷川式簡易知能評価スケールが広く活用されています。
全9問で構成され、見当識や記憶力などを評価します。医療機関や専門機関で実施されます。
下記にサイトのURLを記載しましたので、ご覧下さい。
改定 長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)
自己判断ではなく、医療機関への相談が重要となるので検査結果はあくまでもご参考までに。
現在の治療と向き合い方
現時点で認知症を完全に治す特効薬はありません。
しかし、進行を遅らせる薬や、症状を緩和する治療は存在します。
また、認知症に特化した医師や支援体制も整備されつつあります。例えば、厚生労働省は地域包括ケアシステムの構築を推進しています。
デイサービスや専門外来を活用することで、本人だけでなく家族の負担も軽減できます。
家族ができること
認知症は、本人だけでなく家族にも大きな影響を与えます。
- 一人で抱え込まない
- 地域包括支援センターに相談する
- 早めに医療機関を受診する
- 周囲と情報共有する
早期発見・早期対応が何より重要です。
気づくのが遅れれば、その分症状は進行します。
しかし、早く気づけば、選択肢は増えます。
まとめ|早期発見が未来を変える
認知症にはさまざまな種類があり、症状も進行の仕方も異なります。
大切なのは、
- 違和感を見逃さないこと
- 早めに専門機関へ相談すること
- 支援制度を活用すること
認知症は一人で抱える問題ではありません。
家族、医療、地域が連携することで、
穏やかな生活を続けることは可能です。
不安を感じたら、まずは相談することから始めましょう。



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